ニューロユニバーサリティニューロダイバーシティ(村中直人)

「脳や神経の多様性」を意味することから「発達障害≒ニューロダイバーシティ」と捉えられがちですが、今後、発達障害の言い換えとしてではなく、どのように使われていくのか。 「ニューロダイバーシティ」の対義語は、「ニューロユニバーサリティ(neurouniversality)」という言葉が使われています。 「神経普遍性」=「人間は、だいたいみんな同じような脳の機能、神経の働き方をしている」という前提に立っているのがニューロユニバーサリティです。「人間はみんなだいたい同じ」という社会のあり方ですね。 一方、ニューロダイバーシティは「人間なんだから、みんなが違っていて当たり前」で、それを前提とした社会を作る、ということです。 つまり、「ニューロダイバーシティ」という言葉は「みんなだいたい同じが当たり前」か「みんな違って当たり前」か、どちらの考え方で社会を作っていくのか? そういう問いかけなんです。 いまの日本はニューロダイバーシティとは反対の考え方で社会が成り立っています。教育の場合が想像しやすいと思いますが、教育現場はニューロユニバーサリティ的です。 「みんなだいたい同じ」という前提に立つと何が起こるか。みんなが同じ場所、同じタイミングで同じことを学ぶことがよしとされます。さらには「だいたい同じなんだから、全員に合う唯一絶対解の学び方がある」という発想で突き進むわけです。そうすると、どんどん方法が狭くなっていきます。 これは経済活動の場面でも共通しています。